写真紀行のすゝめ:お出かけとか


沖縄のベストシーズン ~梅雨明けはいつだ?~


今回は、非常~に悩ましい沖縄観光のベストシーズンについて書いてみようかと思います。



さて最近は頭のおかしな知事のおかげで観光イメージが最終降下フェーズの中距離弾道ミサイル並みに残念なことになっている沖縄ですが、まあ美しい海と空に罪は無いので、筆者的には 「住んでいる人はアレだけれど、良い子の皆さんは島を嫌いにならないでね」 ということで前向きに捉えたいと思います。(…それって前向きなのか? ^^;)

…ということで、さっそく本題です。6月になると本サイトでも沖縄に関するキーワードで検索をかけてくる方が増えます。そのほとんどが "梅雨明けはいつか" というもので、気象庁からの紋切型の予報(それも実に歯切れがわるい)では満足できない感というのがひしひしと伝わってきます。…まあ、気になりますよね、普通は。そんなわけで今回はベストシーズンとしての梅雨明けとその周辺事情について少し書いてみることにします。



 

■ 景観だけを考えれば盛夏、されど財布事情を考えると梅雨明け直後がベスト


さて沖縄の観光のベストシーズンはいつか…という話は、何を求めるかによってさまざまだと思いますが、筆者的には "梅雨明け直後の1~2週間" だろうと思っています。理由は単純で、

1) 天候が安定している
2) あまり混雑していない
3) ツアー料金がまだ安い


の条件がそろうのが、この時期だからです。




簡単に図に書いてみるとこんな(↑)ところでしょうか。「夏らしい風景」 という条件だけであれば、亜熱帯に属する沖縄は6~10月くらいまで間口のひろいシーズン感覚で楽しむことができます。最強なのは植物の繁茂が勢いづく7~8月。しかし残念ながらここに人間の都合が入ってくると少々ややこしくなります(^^;)


  4月  ・ 気候は安定している
 ・ サトウキビ畑はパッとしない(伸びていない)
 ・ ヤシ、ソテツの葉が生え変わる時期で見た目が貧相。写真映えしない。 
  5月  ・ GWは超絶混雑+ツアー料金高止まり
 ・ 梅雨入りはGW開け頃
 ・ 沖縄の梅雨はスコール型なので青空がみえることも
 ・ 梅雨の時期は観光客は少ない。ツアー料金は安い。
  6月  ・ 雨が多いので観光客は少ない。
 ・ 梅雨後半は集中豪雨で荒れる。月末に梅雨明けとなる。
  7月  ・ 盛夏 ヽ(´・∀・`)ノ  ・ 写真撮影には最高
 ・ 夏休みのファミリー層で混雑。ツアー料金は高い。
  8月  ・ 盛夏 ヽ(´・∀・`)ノ  ・ 写真撮影には最高
 ・ お盆の時期は超絶的混雑、ツアー料金も激高となる。
 ・ 台風のリスクが増えてくる
  9月  ・ ファミリー客は減少、ただしまだまだ泳ぐことは可能
 ・ 風景はまだまだ 「夏」 で通用する
 ・ 台風直撃リスクが結構高い

まずGWやお盆の時期は観光客が集中して混雑は激しく、ツアー料金も高止まりしますのでちょっと敬遠したいところ。5~6月の沖縄は梅雨で天候がスッキリしません。まあ梅雨といっても南国型なので一日中雨という日は少ないのですが、それでも行動には制約が出ます。7月に入ると学生が夏休みで旅行客が増えます。8月は晴れれば最高、ただし一方で台風のリスクが増えてきます。これらの中から気候がよくて混雑の無い時期を消去法で選ぶと、梅雨明け直後がいちばんよい時期として残るのです。

ちなみにこの時期は、中学/高校生にとっては1学期の期末テストの時期でファミリー旅行の需要が薄く、企業は第一四半期の期末で営業職は休みが取りづらく、その他の企業でも7月末が夏休みのところが多いので休暇が取りにくい谷間みたいな時期です。大学生層では国公立大学はまだ夏休みが始まらず、就活生は6月中の内定が山場のひとつなので旅行どころではないでしょう。唯一気を付けたいのは夏休みの長い私大生ですが、最近の私大は休みの始まりは7月後半で9月いっぱいまで休みなど後ろ倒しの傾向があって、やはり旅行の時期としてはあまり振るいません。…そんな訳で、競争率は比較的すくないのです。

※最近は中国からの旅行客が増えているので、今後は従来パターンが変わるかもしれませんが…(^^;)



なお旅行会社のお薦め情報などをみると、もうひとつ、GW前の4月頃が "うりずん" といって気候の安定した時期だから良いという趣旨のことが書いてあります。買い物や施設巡りがメインであれば、この時期でも特に差し支えはないと思います。

ただし写真撮影に行くのであれば、筆者はこの "うりずん" の時期はお勧めしません。というのは、この時期はヤシ、ソテツ、アダンなどの南国系の植物の葉が冬を越して生え変わる時期にあたっていて、茶色く変色したり、抜け落ちたり…と、見た目が貧相でボロボロなのです。さらには沖縄の風景に欠かせないサトウキビはまだ育っておらず、「ざわわ、ざわわ…」 な風景を期待していくと土ばかりの畑にむかってバカヤローを叫ぶことに…(いや笑いごとじゃないんですが ^^;)

…まあそんな事情があるので、筆者は何度かの失敗を繰り返した果てに 「行くなら6月以降」 という結論に達しています。ねらい目は、さきほど述べたように梅雨明け直後です。



 

■ では梅雨明けって、いつだ?


沖縄の梅雨開けは気象庁の統計では過去の実績を平均してざっくり 6/23 頃ということになっています。…とはいうものの、平均は平均であって、実際には相当にバラツキがあります。



気象庁の統計のある1951年以降の梅雨入り/梅雨明けの日付をざっと図にするとこんな(↑)感じになります。なんとばらつきの幅が±10日以上もあるんですね。こんな分散状況ですから、平均値だけで決め打ち的な判断をすると少々痛い目に遭うかもしれません(^^;)




さて同じデータを "梅雨明け確率" として5日間の移動平均グラフ(日々のばらつきを均してなめらかにした)にするとこうなります。これは後述するエルニーニョ現象その他のあらゆる要素を含んだ込み込みのものです。これならリスク管理をもうすこし賢く行うことができるでしょう。

ここから考えるに、勝率を上げたいなら平均梅雨明け日+7日くらいを基準に、それ以降10日くらいまでをターゲットに予定を組むのがよさそうです。梅雨明け平均日の 6/23 に7日を足して 6/30 で計算すると梅雨明けしている確率は85%、同様に 7/5 で計算すると94%です。7/20 を過ぎると小中高校の夏休みが始まってファミリー客がどっと増えますので、狙いどころはそうなる前、7月の第一週目あたりでしょうか。…まあ、サラリーマン層の場合、この時期にうまく休暇が取れれば…という但し書きはつきますけれども(^^;)

沖縄旅行のつらいところは、特に本土側から行く場合、安く上げたいなら航空便の予約都合(早割り等)で1~2ヵ月前から日程を決めてチケットを押さえる必要があることです。ここでの意思決定は、長期予報を見て梅雨明けが早くなりそうか遅くなりそうか自分なりに見当をつけ、そのうえでギャンブルをするしかありません。ここはもう、気合で決めましょう(笑)



 

■ 教訓としての、エルニーニョの壮大な過剰報道


ところでこれは興味深い教訓として残しておきたい事例なのですが、2014年の5月頃からエルニーニョ現象が発生して 「梅雨明けが大幅に遅れる」 との予報が繰り返しニュースとして流れる事件がありました。わざわざ "事件" と書いたのは、これが極めてお粗末な内容だったからです。

というのも、エルニーニョの年に梅雨明けが大幅に遅れる法則というのは実際にはかなり微妙なのです(→気象庁は可能性が高まる、とか傾向がある、と言っているだけ)。




実際のデータで見てみましょう。過去20年間でエルニーニョが発生したのは1997、2002、2009と3回(2014を含めると4回)あったのですが、その年の梅雨明けは上図の通りで、明確に遅れが見られたのは2009年の1例だけです。他の年は例年のばらつきの中に埋もれてしまう程度で、果たしてエルニーニョ現象による有意な影響があったかどうか、筆者にはちょっと判定ができません。

2014年の5~6月に繰り返されたニュース報道は、梅雨明けが7月にずれ込んだ2009年のたった1例を引き合いに出して 「今年は梅雨明けが大幅に遅れそうだ」 と言っていました。しかし実際の梅雨明けは6/26で、平年よりは3日ほど遅れましたがまあ 「並」 といってよい結果でした。エルニーニョの実際の影響は、この程度です。

そのような次第で、TVのお天気キャスター氏は注目を引きそうな(→しばしば不安を煽りそうな)言葉を織り交ぜて面白おかしく話を膨らませますが、我々旅行者は過去の実績データをもとに冷静な判断を下しましょう。気象は科学であり、過去の実測値があり、相場というものがある程度の幅で予測できます。リスクがあるなら、予測しましょう。そしてそれは、ある程度なら(過去の相場との比較という手法で)素人にでもできるのです。

…ということで、優等生的な平均回答ではつまらないので、多少筆者の主張を織り交ぜてみました(^^)

では今回はこのへんで~

【追記】
どうやら本稿を書いている間に2015年の沖縄の梅雨は開けてしまったようです。エルニーニョの年なのに6/11梅雨明けって…w もう実質、無関係といって良いような気が…(^^;)