2010.01.01 那須温泉神社:初詣




雪の風情を求めて温泉神社に初詣に行ってまいりましたヽ(´ー`)ノ



さて年末も大晦日になり、帰省してみると雪が降っていたので山沿いの那須温泉神社に行くことにした。古式に則れば恵方詣りということになるのだろうが田舎にはそんなに都合のよい方向に主要神社がある筈もなく、おのずと候補は絞られてしまう。

無人社ではどうも寂しいことになりそうなので常時社務所に宮司が詰めているところを選ぼうとすると、那須野ヶ原周辺では那須温泉神社、乃木神社、黒磯神社くらいだろうか。神社以外に仏寺まで広げると一気に候補地は広がるけれども、どうも筆者的には寺=除夜の鐘=大晦日担当という先入観があって気分が萌えないのである( ̄▽ ̄)




さてここでいきなりイメージぶち壊し?の写真を載せてみよう。これは三日前=2009.12.29 の東京:秋葉原である。なぜ載せたかというと、写っている銀杏(いちょう)の木の様子を確認して戴きたいためだ。見てのとおり、もう年末の仕事収めの時期なのに此処では紅葉真っ盛りなのである。

いわゆるヒートアイランド現象の為せる技か地球温暖化の影響かは知らないけれど、紅葉=秋の風情という季節感は、少なくとも都心近くでは崩壊してしまっている。この分だと正月を迎えても大して風景は変わらないような気がする。

クリスマスが終わってこんな状況というのは筆者的には違和感ありまくりなのだが、調べてみるとどうもこれは今年に限った話ではないらしい。気象庁によると紅葉の時期はこの50年で15日ほど遅くなっているそうで、都心はこれに加えて都市部特有の気温上昇があってこんな状況が生まれているようなのである。…そうなると、俳句の世界でもそろそろ歳時記の見直しが必要かもしれない。




一方、同じく年末=2009.12.31 の那須塩原市の状況はこんな感じである。断続的に降り続く雪で、あたり一面は銀世界となっている。年末としては、こちらの方が正しい日本の風情といえよう。

そんな雪の中を22:30頃出発し、まったりと那須温泉神社を目指す。奮発してスタッドレスを新調しているのでグリップ感もイイカンジである。




さて那須街道に入ると、暗い赤松林が連続するようになる。雪は深々(しんしん)と降っており、真っ暗な街道にときたま現れる街灯付近だけが、ピンポイント的にほの明るく照らされていた…。




■那須温泉神社




そうこうしているうちに那須温泉神社に到着。これは一の鳥居である。 カメラの感度に任せて 「えいっ」 と撮っているので随分明るそうに見えるかも知れないが、実際には周辺は漆黒の闇だ。

フィルムカメラではこんなコンディションでは三脚が必須だろう。しかし現在のデジカメはISO-6400くらいまでの感度があるので、実は手持ち撮影で結構イケてしまう。今回装着しているのも夜間には不向きの暗めの11倍ズームなのだが、そんなレンズでも手持ちで撮影ができるのだから最近のカメラ性能はナカナカ侮れない。




そんな訳で、残り少ない2009年を堪能すべく参道を歩き出す。あたりは何の音もしない無音の世界。風も無く、ただ静かに雪が舞っている。

ところで写真をみて 「雪なんて写ってないじゃん」 とツッコミを入れたい方もいるかもしれない。…が、それは "スローシャッター気味なので像が残らない" だけであって、状況的には傘無しで歩くには少々厳しい降雪なのである。




社務所脇の二の鳥居まで来たところで、駐車場からクルマのライトが一瞬、差した。明かりさえあれば雪もこのように画面に写る。しかし筆者は普段からフラッシュはなるべく焚かない派で、やはり風情重視で補助光は無い方が好ましいと思っている。そんな訳でこの先の写真もスローシャッターベースになるのをご容赦願いたい。




社務所を過ぎて三の鳥居が見えてきた。このあたりはもう余計な光源のない本当の闇と灯篭の世界である。下手にフラッシュを焚かず、頑張ってしっかりホールドしながらスロー気味のシャッター速度で撮ると、夜の神社を幻想的に撮ることができる。




三の鳥居に到達。その先に見えるのが拝殿の明かりである。




脇に目をやると、小社がひっそりと雪に埋もれていた。日本の信仰では、こんなところにもいちいち由緒があって神様が祀られている。ただ、さすがに参道に踏み跡はないようだ。




拝殿にはまだ人はまばらだった。さすがに雪が降ると人出も控えめになるらしい。




かがり火がパチパチと燃えるなか、静かに時が来るのを待つ。




そうこうしている間に、ぼちぼち人が集まりはじめた。…やはり昨年よりは、少なめかな。何気に会話を聞いていると、どうやらほとんどが地元の人らしく、観光客はあまりいなさそうだ。




集う人々の話に、景気のいい話題はなかった。あまり具体的に書くのも憚(はばか)られるので詳細は記さないが、観光客が減って客単価も下がったのを嘆くような会話が多い。特に敷地に入るだけで入場料を取るような施設で客足が極端に遠のき、逆に入場無料の施設は客単価は下がったものの人数がかえって増加したケースもあるらしい。全国的な不況の波に飲まれて、那須の観光地でも悲喜こもごものドラマがあったようである。



振り返れば、筆者の身の回りでも不況の余波で多くの人々が職場から消えていった1年だった。

こちらもあまり詳細を書く事は控えるけれども、去る人が増えるにしたがって退職の挨拶がどんどん変遷していくのが印象的だった。最初は関係者の元を回っていちいち挨拶していたのが、次第にメールを一斉配信するだけになり、首切りが数百名に及んだ頃にはその配信時間も最終出勤日の退勤時間ぎりぎりに近くなっていった。安っぽい同情の返信など見たくもない…というのがありありと分かるだけに、知っている名前を見つけるたびに 「お前も去るか…」 などと思ったものだ。行き先がある者はまだいい。路頭に迷うことがほぼ確実な状態でも、組織というのは冷酷に以下省略(※)

※大人の事情って奴は、いろいろと(中略)なのである




…今宵、望まぬ形で野外での年越しを迎える人はどのくらい居るのだろう。残念ながら筆者には全国の不幸な人を引き受けるような甲斐性はないけれども、願わくば皆に等しく幸福が訪れんことを祈りたい。




さて雪の中、宮司さんが拝殿に入っていく。新年の神事の準備である。

参詣者が何万人という規模のマンモス初詣では宮司の姿をみることも祝詞を聞くこともなく、単に長い列に並んで賽銭シュートゲーム(笑)に参加する…という感じだが、ここは有名な割りに小ぢんまりとしているので全体像がよくわかる。かえってチャラチャラした観光客が来ないということが、神社の在り方をを本来の地に足の着いたものにしているのかもしれない。




やがて、ドーン、ドーン…と太鼓が鳴り響き、平成22年(2010)が訪れた。続いて神に捧げる祝詞が聞こえてくる。

さて、新しい年である。那須与一ではないが、今年も南無八幡台菩薩etc…と武運長久を祈ることにしよう。ロクでもない2009年は去った。今年こそは良き年でありますように。




年が明けると、続々と人々がやってきた。みな栃木訛りがあるのでやっぱり地元の人が多いらしい。

しばらく熊谷暮らしが続いたせいか筆者の耳はお国言葉に対する感度がやや上がってしまって、「おお栃木語だー」 などと標準語とのイントネーションの違いを必要以上に検出できるようになってしまった。そんな体質?になってこの場を観察していると、ただの世間話が実に面白いのである。




参拝後は拝殿に入り、お神酒を戴いた。…とはいえ筆者は酒は飲まない派なのでお神酒もまあ形だけである。どちらかというと寅印の神酒杯が目的だったりする(^^;)

※聞くところによると、どうやら飲酒運転撲滅運動の余波でお神酒を自粛する神社が出始めているらしい。栃木県警は今のところ付近で無粋な取り締まりはしておらず、神社側もいつもどおりであったが、当サイトはだからといって飲酒運転を助長する意図はないのでご留意願いたい(^^;)




初詣を済ませた後はいつものように豚汁を…とおもいきや、なんと不況で予算カットらしく、参拝客に振舞われていたのは甘酒のみであった。 まあ神社も氏子も世界経済と無縁ではいられないのだろう。 妙なところでグローバリズムの片鱗を感じてしまった新年だ。

さて…ともかく、今年も頑張ろう。

そのような次第で、今年もゆるゆるとやって行きますのでよろしくお願いいたします~
 ヽ(´ー`)ノ

<完>